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2020年9月末に各省庁から令和3年度概算要求の重点案が発表されました。この重点案には来年度の補助金・優遇税制の内容が記載されており、その補助内容や優遇税制措置について記載されています。
今回を含めて全三回のコラムで、来年度実施予定の注目すべき補助金・優遇税制について紹介します。今回は経済産業省・環境省から発表された概算要求について解説いたします。
【経済産業省】
経済産業省の来年度予算の総要求額は、
前年から12.7%増加の1兆4,335億円となる見込みです。
大きく6つのカテゴリーに分けていますが、その中でもエネルギー関連の事業については、
これまで以上に「脱炭素化」を進めています。
※概算要求の内訳は以下の通りです。
・一般会計:4,399億円(対前年増減率:22.6%)
・エネルギー対策特別会計:8,365億円(対前年増減率:11.8%)
・特許特別会計:1,571億円(対前年増減率:マイナス4.7%)
<脱炭素化に向けたエネルギー転換>
太陽光発電システムをはじめとする再生可能エネルギーの更なる導入を通じた主力電源化、電気自動車の普及等による脱炭素化を始め、水素社会、CCUS・カーボンリサイクルの推進など「ビヨンド・ゼロ」を目指す環境技術の研究開発・実証や国際研究拠点の強化に取り組みます。
この分野では今年度と同じく来年度も省エネ設備、太陽光発電システム、蓄電池システム、V2Hなど様々なエネルギー関連の補助金制度が実施されることになると、予想されています。
【環境省】
環境省の来年度予算におけるエネルギー対策特別会計の総要求額は29.1%増加の2,257億円となる見込みです。環境省ではエネルギー対策特別会計において3本の柱を立てており大きなテーマとして「脱炭素」を念頭に置いた方針を打ち出しています。
第1の柱:脱炭素でレジリエントかつ快適な地域とくらしの創造
ゼロカーボンシティ(2050年CO2実質ゼロを宣言した自治体)の動きを後押しするため、地域再エネ最大限導入のための計画づくり、再エネ等の自立・分散型エネルギー導入など、ソフト・ハード両面からのパッケージ支援を推進する。
デジタル分野や物流、住宅・建築物での再エネ・省エネ・蓄エネ活用により、脱炭素化でレジリエントかつ快適なくらし・ビジネスの実現を支援する。
第2の柱:脱炭素のための技術イノベーションの加速
再エネ由来水素、ゼロエミッション火力、CCUS、アワード型技術開発・実証など、脱炭素化に向けた技術革新の開発・実証の推進により、脱炭素社会の早期実現に向けたイノベーションを加速化する。
第3の柱:グリーンファイナンスと企業の脱炭素経営の好循環の実現、社会経済システムイノベーションの創出
ESG金融等の民間の脱炭素投資を引き出すグリーンファイナンスの強力な後押し、地域におけるESG金融の普及展開、脱炭素経営の後押しを推進するとともに、社会経済システムのイノベーションを促進する。
経済産業省も環境省もエネルギー関連政策を重視し、エネルギーの中でも特に脱炭素に向けた事業への補助を厚くしていることが見て取れます。国の方向性としてはエネルギー自給率の向上に端を発する再生可能エネルギーへの取組はさらに加速するとみられています。
次回コラムでは、今回発表された概算要求の重点案に記載のあるエネルギー関連の補助金の内容について解説します。
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